発達に凹凸のある息子、不登校に③
一週間ほど、無理やり学校に連れて行った私ですが、何も思わないわけではありませんでした。
この時、すごくつらかったです。
でも、今後の彼のため、学校に行けるようになるために、
乗り越えなければならない壁のように感じていました。
ある朝、押さえつけられている彼が、先生の合間をぬって逃げ出したのです。
私のところにくるわけではなく、
その足は学校の外、校門の方へ向かっていました。
「あ!!逃げたぞ!!」
信頼していた教頭先生が放った言葉でした。
私は、愕然としました。
この子が、何か悪いことをしたのでしょうか。
「ママ!」「ママ!」といつも引っ付いてきた彼が求めたものは、ママの私ではなく、
どこにも行く場所がない、わからない学校の外だったのです。
そう、この小学校には、彼を理解し、支える人がいませんでした。
母である私でさえ、「普通に学校に行くこと」を目標にして、
彼の困っていることを理解しようとしていなかったのです。
こんなに子供のために必要であるという大人がいたにも関わらず。
彼は独りぼっちでした。
「教頭先生、すみません。今日はもう一緒に帰らせます。」
私は、涙を流しそう言いました。
そこにいた担任の先生は、「いいんですか?学校に来られなくなりますよ!!」
と厳しい言葉を言いました。
しかし、私は、泣き叫ぶ彼を抱きしめて
「それなら、それで構いません。」と言い返しました。
初めて先生に言い返した言葉です。
帰り道、家に帰ってから、彼に謝りました。
「ごめんね。つらかったよね。」と言葉があまり出てこなかったですが、話しました。
「うん。学校が怖いねん。」
「とくに校門が怖い。」
「学校行かないとあかんのやったら、僕死にたい。」
そういいました。
小学校1年生が、死にたいって。
私はその場にいたのに。その場に連れて行ったのは、私です。
今思い出しても涙が出ます。
それから、3か月、学校には行きませんでした。